■ コラム:やさしい施術が良い10の理由

僕は1998年から現在まで一貫して、やさしく柔らかく身体にアプローチして、痛みや違和感をその場で解消することに喜びを見出してきた。

 

1998年というと、日本では強押しの足裏マッサージや関節をバキボキ鳴らす整体が全盛期を迎えていて、少数派の僕はクライアントさんへの説明にずいぶん手間取ったものだ。

 

ある肩コリの酷いクライアントさんには、施術が終わって痛みや違和感を尋ねたところ、

 

「“いまは”痛くない。動きも“いまは”楽。でも揉んでくれなかったから、まだ気持ち良くなっていないから、揉んでもらうまでは帰らない!」

 

とまで言われた。

 

あれから十数年、いまや強押し・強揉みの治療法はずいぶんと少なくなり、無理なくやさしくアプローチする方法が広く知られるようになってきた。いやはやなんとも隔世の感がある。

 

 

ここで身体にやさしく柔らかくアプローチすることの利点を挙げてみたい。

 

1. 防衛本能に警戒されないから『余計な緊張を生み出さない』

 

2. 日常の動きよりもっと楽に動かすから『施術で痛める心配が無い』

 

3. 余計な緊張を生み出さないから『原因となる筋収縮を見つけやすい』

 

4. 軽くやさしく触るから『痛みのごまかしが効かない』

 

5. 一切の恐怖心を伴わないので『心身ともに脱力できる』

 

6. 筋肉の緊張が解けやすいので『内臓の働きが活性化する』

 

7. やさしく引っ張ると筋肉も関節も『伸びやかに広がる』

 

8. 筋肉が弛緩するから『連動する血管やリンパ管も活性化する』

 

9. 筋肉が弛緩するから『骨位置も一瞬で修正される』

 

10. やさしく丁寧に扱われるから『自分自身の大切さに改めて気付く』

 

 

1.2.によって身体は驚くほど早い反応を見せるようになる。つまり痛みや違和感がその場で回復しやすくなる。

 

3.4.は施術者にとっての利点とプレッシャーになる。やさしい施術の場合、痛みの原因にアプローチできなければ痛みが変化しない。

 

5.〜9.は身体の利点。心と身体が緩み、内臓と循環系が活性化し、関節腔は開き、骨位置は修正される。

 

10.は施術者とクライアント双方にとっての利点になる。絶対に傷つけないことが約束されているから問題解決に向けて共に進むことができる。